おまえどこ中?

最終学歴 オールフィクション

kill time

毎日夜になると寂しくって、天井が落ちてきて潰される。闇に吸い込まれて溶けて消えそう。日中は作業すれば紛れる感情も、眠りにつくまでの数秒で全てが蘇る。目が開けられないくらいに眩しい夏の陽は、強いフラッシュで肌のアラを消すみたいに心のデコボコも消してくれる気がする。夜が好きなのに寂しくって寂しくって苦しい。一人で生きたい。寂しくなんかない。迷惑かけたくない。悲しくなんかない。依存したくない。甘えたくない。頑張りたい。強く固い意志を持っているよりも、柔らかい人間の方が好かれる。こうなりたい、ああなりたいが多い自分よりも、その場の雰囲気と混ざりあえるくらい柔くいられる人間は愛されるのだろう。愛されたい。自分以外の誰かから許されたい。否定しないで。決めつけないで。固定しないで。助けて。自由にさせて。夢を見させて。泣いても怒らないで。話をきいて。優しくして。面倒でも捨てないで。みんなを愛したい。みんなを好きになりたい。あなたを大切に想うから、わたしのことも大切に想ってください。いかがですか。交換条件は滑稽かもしれないけれど、こうするしか思いつかないよ。焦燥感でギリギリしちゃう。劣等感で泣いちゃいそうだよ。利益なしで関係を持ってくれますか。寂しい夜に抱きしめ合って一緒に眠ってください。何も言わないで外の雨をじっと見つめようよ。銀だこの前で少し跳ねながらコロコロ転がるたこ焼き見つめようよ。月の綺麗な夜に凍え死にたい。あったかい紅茶を淹れてミルク入れて混ぜといて。冷めたら飲むね。少ししんなりしてる焼きそば作ってよ。水っぽいねって言うからさ。そしたらおいしいよりも会話が続くよ。寂しさの運用。