July 2016
ほとんど雨の降らなかった梅雨が明けて、気温は上昇。カラッとしていればいくらかいいものを、空気は纏わりつくような水分を抱いて鬱陶しい。晴れているのに霧が出ている、みたいななんとも言えない中途半端な天気である。しっかりしてくれ。
大学最後の夏休み前、友人は思いを寄せている男に告白したらしい。結果は玉砕なんて清々しいものではなく、ここのところの天気ように曖昧なものであった。
「今年が終わるまでに彼氏ができなくて、セックスできなかったらわたし、介護のさ、アレ、性処理?申し込もうかなって思ってるんだけど。」
自分の中にない発言をされると時空が歪んだ気持ちになる。
「他人の物差しで生きるとモヤモヤして苦しいよね。」
なんて言っていいのかわからず、答えにならない曖昧な返事をした。友人は続けて何かを言ったが、わたしの耳には何も入ってこなかった。